「自転車保険」の義務化とは? その内容と義務化が進む背景

30代の男性からのご質問です。

妻と小学生の子供が二人います。最近「自転車保険義務化」という広告をよく目にしますが、これは本当なのでしょうか? もし本当なら、いつから義務化されますか? 自転車を買った際の登録はその保険と別物なのでしょうか?

◆自転車保険義務化の流れ

自転車を購入した際の手続きは「防犯登録」であって、保険ではありません。自分の自転車であることの証明や盗難に遭った時のためで、登録が義務化されています。さて、自転車保険ですがこれは都道府県や市区町村の条例で義務化されています。ただし加入しなくても、罰則はありません。2023年4月時点では、32都道府県・9政令都市が加入を義務としています。

◆自転車重大事故件数の推移

右図は内閣府による「自転車の安全利用の促進について」からの抜粋で自転車関連死亡重傷事故件数の推移です。近年は微減傾向にあることがわかります。しかし、認識すべきは「自転車」という身近な乗り物であっても事故を起こせば高額な賠償金を命じられることがあるということです。

◆高額賠償の実例

2013年、11歳の男子小学生が自転車で走行中に62歳の女性と正面衝突。女性は意識が戻らず、神戸地裁はこのケースで9,521万円の損害賠償を命じました。小学生に賠償能力はありませんから、支払いは当然親になります。こうした事態が、実際には何件もあるのです。よって、自転車保険義務化に罰則はないとはいっても、リスク管理の一環として加入を検討してもよいのではないでしょうか。

上記事故の当事者を年齢別で見てみると、最も多いのは65歳以上です。これは被害者となったケースが多いと推測されます。2番目が19歳以下で、これは加害者となったケースが多いと推察されます。年齢別の特徴も是非考慮してください。

担当:金子


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